Harmonic AI、30年前の数学の問題を4つ解決:AI数学時代の幕開け
- HarmonicのAristotle AIがエルデシュ(Erdős)問題を4つ自律的に解決
- 問題#728はAIが完全自律で解決した初のエルデシュ問題
- フィールズ賞受賞者テレンス・タオが直接証明を検証
何が起こったのか?
数学AIスタートアップHarmonicが開発したAristotle AIが、2026年1月の1ヶ月間で未解決のエルデシュ問題を4つ連続で解決した。[arXiv] エルデシュ問題は、伝説的なハンガリーの数学者ポール・エルデシュが残した1,133個の難問コレクションである。そのうち680個がまだ未解決の状態だった。
最も注目すべき成果は問題#728である。1月4日、ケビン・バレットがAristotleを利用して証明を発表し、1月6日にはLean 4プログラミング言語で形式検証まで完了した。[Hacker News] これはAIが人間の助けなしに完全自律でエルデシュ問題を解決した初の事例である。
続いて問題#729、#397、#124が次々と解決された。問題#124は1990年代から30年間未解決だったが、Aristotleがわずか6時間で解いてしまった。[36Kr]
なぜ重要なのか?
AIが数学の問題を解くのは新しいことではない。DeepMindのAlphaEvolveも50個以上の数学パズルで人間よりも良い結果を出した。しかし、Aristotleの差別化要因は形式検証にある。
既存のLLMはもっともらしい答えを出すが、ハルシネーションを避けることができない。AristotleはLean 4証明補助器を通じて数学的に完璧な証明を生成する。フィールズ賞受賞者テレンス・タオが問題#397の証明を1日で検討し承認したのも、この検証可能性のおかげである。
Harmonicは2025年11月、シリーズCで14.5億ドルの評価額で1.2億ドルを投資された。2026年1月にはNvidiaのNVenturesまで投資家として合流した。[SiliconANGLE]
今後どうなるのか?
Harmonicの共同創業者ブラッド・テネブ(Robinhood CEO)とチューダー・アキムは数学的超知能を目標とする。数学検証技術はコーディング、チップ設計、安全-中核ソフトウェア検証に拡張される見込みである。
ただし、テレンス・タオは現在解決された問題は最も簡単な果実だと警告した。標準的な手法で解ける問題であり、真の数学的ブレークスルーとは程遠い。AIは問題のフレーミングと専門家検証で依然として人間に依存する。
よくある質問 (FAQ)
Q: Aristotle AIはどのように数学の問題を解くのか?
A: Aristotleは強化学習、モンテカルロ木探索、Lean 4形式言語を組み合わせる。自然言語で書かれた数学の問題を形式的に検証可能な証明に変換する。GPT-5.2が初期証明を生成すると、AristotleがLeanで形式検証するという形で協業することもある。
Q: Harmonic AIはどんな会社か?
A: 2023年に設立されたパロアルトを拠点とするスタートアップである。Robinhood CEOブラッド・テネブが共同創業者兼取締役会議長であり、チューダー・アキムがCEOである。シリーズCで14.5億ドルの企業価値を認められ、Nvidia、Sequoia、Index Venturesが投資した。
Q: エルデシュ問題とは何か?
A: ハンガリーの数学者ポール・エルデシュが生涯にわたって提示した数学難問コレクションである。現在1,133個がカタログ化されており、279個が解決され、680個が未解決の状態である。整数論、組み合わせ論、グラフ理論など、様々な分野を網羅する。
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参考文献